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赤いハンチング日記

ニ日、とくおき出て、見わたしのけしきいとよきから見出せば、
空はすこしかすむれど、晴れたるに、
朝日のはなやかにさし出たるほど、木々の緑やうゝ濃くなりて夏ふかきけしき。

今日は瀧ども見にものせんとて、
おむすび、お茶、行動食にシリアルバー、ドライマンゴーなど持ちて出でたつ。
桜本坊などいふを見て、
勝手の社は…
120902勝手神社
このちかきとし焼ぬるよし。
今は…吉水神社におはしますを思ひて、をがみて過ゆく。

蔵王堂より十五六町あたり、左に石段あり。
吉水宗信法印公の墓にむかひて、深々とあたまをさげる。
120902行って来ます
獅子坂を登ったあたりにては、
義経の忠臣を想ひ過ぎゆく。
120902矢倉にて想い
水分(みくまり)神社にては、しづかに拝み奉る。
120902水分神社
なほ行て、大きなるあけの鳥居あり、二の鳥居また修行門ともなづくとかや。
左の谷のあなたのやまゝ見えたるなど、すべてえもいはず、おもしろき所のさま也。
120902朝の靄に
金御峯神社、金精大明神、今は金峯神社と申て、此山しろしめす神也とぞ。
120902金峯神社
脇より奥賭け道となりて、山路ののぼりにかかる。
どっこいしょとは、六根清浄より変はりたると、云いし人もあれど、
又、何処へしょよりとは、柳田国男のいふとかや。
いづれなりとも、けふもお山は晴天なり、
など、筆のついでに、かきつけつるぞ。
120902奥賭の道へ
なだらかなるのぼり道にて、野兎が駆けるを追ひかける。
三丁ばかり分け入りて、少したひらなる所にて、一丈ばかりなるいほりあり。
西行法師の、みとせ住みたるとぞいふ、かりそめのいほりにて、
しばし休む。
120902大好きな場所西行庵
とくとくと…
120902とくとくと苔清水
…いいじゃないの、その歌が法師がくちつきにあらずとも。
訪れしひとゝの、いにしへ偲ぶ歌であらむ、芭蕉にしてもさなり。
それにより、何かしら誰かしらに幸せをもたらすかどほか
それが、何よりも大切なり
…と思ふなりん。
さきをいそぐ
奥院の四方正面堂跡の平たなる所に立ちては、
宝塔院、蔵王堂、今は跡形もなく、
ただ、綿毛の漂ふ草地なり
120902この場所がホントは西行庵ではないだろうかといつも思う
安禅寺の跡の杉林を過ぎゆき、
愛染宿茶屋跡までかへりて、御嶽へまうづる道へかゝり、
三町あまりもきつらんと思ふところに、
愛染の分岐、山上辻あり。
しるべのいしぶみたてる道を、左へ分れゆく、
御嶽の道は、『これより女はのぼらず』とぞ。
120902青根ヶ峰
青根ヶ峰の頂を踏みて、東の車道に出でぬる、
今は一重の蹴ぬけ塔のかた、一丁ばかりもなきほどの、山路にかゝる道に入りて
120902青根ヶ峰から舗装道路を金峯神社方向へ少し歩くと右手
ちひさきしるべの木ぶみの大滝、西河(にじこう)かた、
右につきたる細き道へわかれ、下り行く
120902曲がってすぐに右手のこの道標に従い右の細い下り道へ
杉、いづこにもおほくうゑ生えしたる…たちのびて繁りゆく
120902杉の植林を下る
吉野山のならひとて、桜を切ること、いみしくいましむる
これ、神のをしみ給ふ故なりとこそいふなるが
かく杉うゝるこそ、桜はその陰におしけたり
伐よりも桜のためにはこゝろうきわざと

僕も同感、
いにしへは、うゑ生えし杉林もあらず、かの山ゝの桜までも、あまた見へたり、と思へり。
杉の花粉症も、是いかに。
そないにおぼゆる
されど、杉の木に悪意はあらざらん、又、うゑ生やし人ゝにもあらざらん。
…などと思ひ歩きければ、
山路を右に曲がる角にて、
鹿と、ばつたり出逢ふ。
神のつかわしめした鹿であらふか…
鹿、すこし離れてこちらを見やる

鹿とかたらふ

鹿が、ぴぃう
僕が、ぴぃう
鹿が、ぷゅぅい
僕が、ぷゅぅい

はい、次、鹿の番…

とつじょ、えもいはず大きなる声にて、 
ぴぃやぁぁぁっ!と嘶き
きりたつ峯を駆けあがり消えゆく
120902曲がると遭遇 ビックリした…僕も、君も
びっくりしたなり。
くやしく、僕も負けじと、
ぴぃやぁぁぁっ!言ふてやる。

後は、たゞ、静寂のこるのみ也けり… 

傍らに咲く野花に足をとめ
120902野に咲く花はいい
せせらぎのいと美しき、かわむつの泳ぐに、しばし足をとめる。
120902清らかな水だな
120902清流には
板橋のかゝれる此川を音無川といひて、
月毎のはじめなからは上津瀬に水といふものなく
後の中からは又、下津瀬に水無しとかや
さて上より来る水はいづちかにしてながれゆくぞといふに
石のはざま砂の下などへやうゝしみ入つゝなくなりては
はるか下にいたりて又やうゝにわき出つゝ流れゆく也 といふ。

続きもありしが、ここまでをかき写すとする。
板橋を渡り、
120902杉の林を歩く歩く
杉の林を、音無川にそひて、やうゝくだりゆく
120902音無河を低く見て歩く
山道は車道に変はり、端に野花おほく咲くを楽しむ
120902舗装された林道の脇に咲く花々を楽しみ
水道局の屋のあるを見れば、
手前左ガードレールのうしろに、草生い茂る中、下る階段あり
此、滝廻り周遊ハイキングコースなり
120902林道からはこの建物の横、ではなく、手前のガードレール裏に階段がある

あきつの小野公園、音無川にかかる橋の上にてみゆるは
赤蜻蛉
120902 あ、とんぼ
せいめいが瀧を見る
この見る所、螺旋階段を下りゆきいたる滝見展望の台は
ちかう滝のなからにあたりたれば、上下を見あげ見おろす。
120902瀧をながむ
今はなべて 蜻蛉の滝 といふ此滝も…
そもゝ此滝を清明が瀧としもいふは、かげろふの小野による名にて、
蟲の蜻螟ならんと云し人もあれど、さにはあらじかし。
里人は蝉の滝ともいふなれば、はじめはなべてさいひけむを、
後に清明とは、さかしらにぞいひなしつらん。
いま瀧のさまを見るに、かみはほそくて、やうやうに下ざまのひろきは、
蝉のかたちにいとようにたるに、なる音はたかれが聲にかよひたなれば、
さもなづけつべきわざぞかし。
又その蝉のたきはこれにはあらず、こと瀧也ともいへど、
里人はすなはち此滝のこと也とぞいひける。
そはとまれかくまれ、かの蟲の蜻螟はひが事なるべし。
かげろふの小野とは、かのあきづ野をあやまりたる名にて、もとよりさる所はなきうへに、
そのあきづ野はた此わたりにはあらじ物をや。

などと、僕の持参しつるガイドブツクには記するも…
執筆当時、持参なされたガイドブツク(和州巡覧記)では、
貝原翁は、どないな風に、をしへおかれたのだらうか…。
120902蜻蛉の瀧3
120902蜻蛉の瀧2

もぐゝと おむすび頬張る 瀧の音
120902おむすび山の向こうに蜻蛉の瀧
ほろゝと 山吹ちるか 瀧の音 【松尾芭蕉】 
笈の小文にて翁の西河を歌ひし、そののち、
蜻蛉が滝は、ただ名を記すのみにて、いづれをもかきつらまじこと、
いと惜し。
芭蕉翁は、どないな風に…?
など思ひつつ
かしこから写真を撮りめぐる
瀧のうへを見れば、水なほ上より落ち来て岩淵にいる。
この淵二丈ばかりのわたりにて、程はせばけれど深く見ゆ。
瀧はやがてこの淵の水のあまりて落ちるなりけり。
そこにて、泳ぐを想像す。
ざわゝとさぶいぼゝ。
120902蜻蛉の瀧1

ながらく瀧を楽しみ、かへり路にかゝる。
120902綺麗なんだけどなぁ…ねぇ、君
窟への路、
大岩をまきゆく道は、
手摺のやうゝ朽ちかけたさまと、落ち葉に埋もれゆく足元は、いとあやうし。
120902朽ちてきてるなぁ1
こころして進むべし
120902朽ちてきてるなぁ2
まもなく、聖天ノ窟につく。
その窟、間口八尺三寸、高さ十尺、奥行二丈四尺ほど
窟奥に神明造祠あり、天竜天大神を祀る、とぞ。
此窟は、役小角が大峯開山の前に、修行なされた所、とぞ。
120902聖天ノ窟
名を又、白蛇の窟ともいうとぞ…
振りかへると、
120902シュシュシュっていうてる
落ち葉の路、やはり、こころして進むべし
同じ道をかへり、音無川を渡る吊橋
120902吊橋をわたる途中に雨が
橋をわたるなかば、雨ふり出ぬ。
雨衣をにはかにとりいでゝうちきて、
同じ川ぎしを、やうゝにのぼりもてゆくまゝに、
いとふかき谷かげなりて、雨にて水おほなるもあれど、
左右より谷川のおちあふ所にいたる、音無川のけしき、いとおもしろし。
雨きよくやみて、杉の林に陽ふる也。
120902青根ヶ峰への帰路
高城山の展望手前にて、又、雨ふり出ぬ。
又しも、にはかにとりいでゝ、うちきるもいとわびし。
ぬぎつれどまたもふりきて雨ころもかへすがへすも袖ぬらすかな
まこと、さあるでがんす。

見わたしのけしきいとよき所にかへりて、
むかひの高く見やらる其山も、かたへの谷なども、
日も山のちかく成りぬれば、脇よりあたる陽によりて、やうゝあざやかに見わたされたり。
120902いとみはらしよき場所

さては日暮れはてぬべし
部屋へかへりて、晩御飯であるらむ。
だいこん炊いたん頂いたのん、
味、やうゝに染ゅんでて、
ほんまちょぉ旨ゝ也。
120902今夜のメニュウ
これまた頂き物の苦瓜にて、これ家庭菜園とか聞く。
たまごにて苦瓜炒めなるをしてみむ。
120902今夜のメニュウその2
めっさ旨ゝ也。
麦酒がすすむ ゝ 。
(ニャハハ)

おまけ:書込み地図
青根山地図20120902

ひゃぁぁ 山旅 楽し♪ 也。
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No title

この文章と写真に感動しました・・吉野の奥の千本そして蜻蛉の滝の様子が江戸時代にタイムスリップしたように面白くしかも繊細に書かれていて驚きました

是非転載させてください・・・知性的で素晴らしいと思います
プロフィール

Arbre de Hiver

Author:Arbre de Hiver
fuyu

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